STAFF PROFILE - 西田 宏則 -
子供の頃から建築現場が遊び場 history

大幸綜合建設株式会社 住宅事業部[DAIKOstyle] 西田 宏則
資格・講座受講履歴
・二級建築士・工務店設計塾2022卒業生(第5回飯塚賞受賞)・新住協 Q1.0住宅マスター会員・構造マイスター準1級
受賞歴
・性能向上リノベデザインアワード2024 特別賞 受賞
・LIXIL MEMBERS CONTEST 2024
└【新築部門】 グッドリビング賞 受賞
└【リフォーム部門】 グランプリ 受賞
・第8回日本エコハウス大賞
└【新築部門】優秀賞 受賞
└【協賛企業賞】 TOSTEM GREEN WINDOW賞 受賞

PROFILE 大工が造る木の家の原点
大工の父を持ち、子どもの頃から建築現場が遊び場でした。その父が建てた当時の日本の風土に合う土壁の家で幼い頃は過ごし、その時の体感が今の家づくりの原体験となっています。そのまま大学でも建築を学んでいた時に大きな転機が訪れます。

なくすことでその大切さに気づく
大学在学時の20歳の時に、とある事情からその父が建てた家から離れることになりました。思い出の詰まった家から離れることで、家族にとって家という場所がどれほど大きな意味を持っているのかを若いなりに痛感して、家族にとってかけがえのない家を造る・家族の想いに寄り添い遂げる仕事に就く決心をしたのです。その後、ハウスメーカーから地域の工務店へと勤め、営業・現場管理・設計と多岐にわたる業務を経験したのです。

PERFORMANCE エコハウスとの出会い
2011年に新住協という高性能木造住宅を普及する団体とその代表である鎌田前代表理事に出会い、今の家づくりの基本となったエコハウスに魅了されました。そこで学び続けて、土地や気候風土に合ったパッシブデザインで冷暖房負荷を減らす設計ノウハウを身に付け、Q-Pexで温熱計算を自身で行うようにもなりました。私の原体験である日本らしい木の家の良さに現代の住宅性能をプラスすることでより長く快適に住むことができる家を建てる技術を身に付けたのです。経験だけでなく論理に基づいた家づくりをここから始める。住む人に寄り添う建築だからこそ、感性・情緒を大切にすることも必要です。しかし、感性を重視するとデメリットになることがあるのが住宅でもあります。それを性能という論理的なテクニックで補うのが私の基本設計思想です。



DESIGN 性能と意匠の両立を実現
2022年、自身の意匠設計レベルを高めるためにi+i architectsの飯塚豊氏が講師の設計塾に参加しました。地域社会からつながること・間取りから考えないこと・周りとどのように調和するかを考えることが軸になり、建物がどう見えるのかと構造のバランスを検討するために屋根から考えるという発想に驚きを覚えたのを今でも忘れません。

その考えで設計者として成長
これらの考えは、意匠性と性能を両立したいという私にはぴったりの考えだったのです。土地の環境に合わせて屋根から考え、次に家の中と外をつなぐ中間領域をどのように取るかを考える。そして窓の配置やサイズを整理して、次に構造を整理して、最後に間取りを考える。一般的な建築士がよくやってしまう失敗として「間取りから考える」と構造や屋根の形が崩れやすいというものがあります。周辺環境(周辺の建物や窓や景色や抜け)によって家がどう見えるか、どう使えるか、どう機能するかが変わります。住まい手が何も考えずとも快適でいることや要望を最大限叶えるためにこれは欠かせません。

PERFORMANCE 構造塾|佐藤実氏と出会い構造を極める
また、長く住む大前提となる構造・耐震性についてもM’s構造設計が主宰する構造塾にて許容応力度計算について学び、自身でプランニングから構造計算を一貫して取り組めるようにスキルアップしました。構造計算は一般的に地域工務店は構造計算事務所に外注することが多いものです。しかし、構造を理解せずにプランニングをすると無理が生じやすく、結果としてコストが高まり住まい手の負担になります。元々、構造を意識はしていましたが、構造塾で改めて学ぶことによってコストを抑えながらも耐震性は今まで以上に高いものにすることができるようになり、構造計算も自身で行うためお客様の不安に自身で即答できるようになりました。

DESIGN ADVISOR 構造と換気設備の知識
高断熱高気密住宅における設備設計でもっとも注意が必要なのが換気・空調設備です。せっかくの断熱性や気密性を持ってしても適切な設備設計ができていなければ省エネを最適化することができません。DAIKOstyleでは様々な換気空調システムを実践して、現在の仕様に落ち着いています。さらに、先述の構造知識があることで、建物の1階と2階の階間がどうなるのかを理解できているので、第一種熱交換型換気のダクトの設計も問題なく行うことができます。

DESIGN 全てを網羅して提案する
プランニング(意匠設計)に並行して、温熱環境の検討・構造計算・設備設計を同時にこなせることが私の設計者としての強みです。それを支えているのが現場での多くの経験です。その経験があるからこそ、現場での納まりを考えながら設計することができます。単なる意匠設計ではなく、現場での再現性や性能、設備のバランスを取りながら住宅としてまとめる設計ノウハウがあります。

出典:“自由学園明日館”. 学校法人 自由学園.
https://www.jiyu.ac.jp/related/myonichikan.php
そんな私が感銘を受けた建築
ここまで長々と自己紹介してきましたが、家づくりはどんなものを立てるかの前に誰と建てるかで大きく結果が変わるため知ってほしいと思いたくさん書いてしまいました。ぜひ、家づくりの営業マンではなく、たくさんの設計者や現場を造り上げていく大工さんに会ってみてください。設計・図面の質や現場の質が家づくり肝です。
最後にそんな私が影響を受けた建築をご紹介します。自由学園の明日館(フランク・ロイド・ライト設計)という建築です。高さ低さのバランスと、籠ることと開くことのバランス、そして開いた空間の窓からくる光の大切さや美しさ。今の私の設計に大きく影響を与えてくれました。一般公開もされていますので、気になった方はぜひ見学に行かれてみてください。