大阪府のほぼ中央に位置する平野区は、歴史的にも古く、平野の地名は平安時代末期までさかのぼる事が可能です。近年では大阪都心部への接近性が良好であること等から、戦後、農地の宅地化が進み、現在では大阪市のベッドタウンとして位置付けされています。
住まい手は、ご夫婦とお子様2人の子育て世代のご家族。
以前のお住まいは、2間間口のお住まいで、いわゆる狭小住宅。高断熱高気密な住宅への建て替えをご希望されて、ご縁を頂きました。
当初は、3階建て住宅でのご計画でしたが、たまたま隣の家が空き家で、計画に入るタイミングで、その隣地を購入されることができました。
その分、敷地が広くなり当初の2間間口の3階建ての計画から、4間半間口総2階建て2階建て住宅での計画となりました。
家づくりのお手伝いをさせて頂くと、時折こういったドラマのようなご縁に立ち会うことがあります。
まさに、この加美東の家の住まい手も、家づくりのご縁に恵まれたご家族です。
子育て世代の家づくり
1階リビングで、その一角に小上りの畳座を設けたプランニング。
リビングに併設された小上り畳の使い方は様々。ちょうど腰を掛けるのにちょうどいい高さ。TVを見るときに腰を掛けたり、寝転んだり。子どものお昼寝スペースとしてもちょうどいい大きさです。畳の下は、引きだし収納になっています。その畳と併設した板の間部分を通り2階への階段と続きます。設計コンセプトとしてはこの板の間部分を、歌舞伎の花道に見立てています。空間の中に生じるこう言った高低差ですが、あえて遊び心をこめて、住まい手が楽しくなる工夫をしています。
リビングは、天井を照らす調光式の間接照明となっていて、ダウンライトなどの光源がなく柔かくて落ち着いた雰囲気の空間に仕上がっています。
間接照明もうまく使うと、充分に明るい空間をつくる事ができます。
階段を上がると、座卓コーナーがあり、大きなファミリークロークへと続きます。そのファミリークロークを中心に主寝室、子ども室2部屋、ランドリールーム、納戸を配置しています。2階は完全なプライベートゾーン。まるでホールのようなファミリークロークに各自の衣装棚やロッカーを設ける事で、それぞれの部屋のスペースを確保し、子どもの成長、家族の形に合わせて、部屋の構成に融通をもたせてあります。
ランドリールームには、洗濯機置き場と、部屋干しをするための造作物干しハンガーを設置しています。乾いた洗濯物は、隣接のファミリークロークで畳んで、すぐしまう事が出来、家事動線も楽になるよう考えています。
これまでの暮らし方や、これからの住まい方をお聞きし、住まい手と一緒に考えた家づくりとなりました。
高い耐震性と省エネ性を併せ持った都市部に立つ、子育て世代のための高断熱住宅が完成しました。