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災害被害への予防という考え方の耐震等級3

構造のお話全て
2023/04/07

こんにちは! 大阪・奈良で高断熱高耐震な木の家専門|新住協Q1.0住宅マスター会員で木構造マイスター準1級のDAIKOstyle西田です。

私が構造の勉強をさせて頂いている構造塾の佐藤塾長がよく言われること。耐震等級3は予防という考え方。

「予防」は無駄になること自体がラッキー

建物の耐震性能を高めることは巨大地震が起きた際への被害の「予防」になります。もし、大地震が発生した場合、建物が倒壊、崩壊せず、さらに住み続けることができるようにDAIKOstyleでは耐震等級3を標準の耐震性能としています。

この予防策である耐震等級3の性能を得るために膨大な費用が掛かるということはありません。許容応力度計算を実施し、その結果に応じた構造材を使うだけですので、さほど大きな費用は掛かりません。むしろ、ちゃんと計算をしている分、不必要に大きな梁や構造材を使う事もありません。むしろ間取りも構造計画ルールを守ることで力業の構造にはならないので、経済的に耐震等級3を実現できます。

 

ところが大地震が発生する確率は低いから耐震等級3は無駄。交通事故に比べると、大地震は低い確率だという声を聞くことがあります。このブログを読んでいただいている方は、家づくりを真剣に考えられている方だと思いますので、耐震等級3について関心が高い方だと思うのですが、前述したアンチ耐震等級3の話や記事を見聞きすると、迷ってしまうんではないかと思います。

そこで考えてほしいことは、「予防」することに対して無駄になることは、ある意味ラッキーなことではないでしょうか、という事。

せっかく耐震等級3にしたのだから、無駄にならないように大地震が来てほしい方はいるでしょうか?

大地震が来ないことは、ラッキーなことですよね。

 

車のエアバックがいらないなんてことある?

違う例えでいうと、

車にエアバッグを取り付けても、事故でエアバッグが使われなければ無駄という考えの方はいるでしょうか?

事故が起きないに越したことはありませんよね。

怖いこと、嫌なことは起きないほうがラッキーなことではないでしょうか。

 

だけど、万が一、怖いこと、嫌なことが起きる場合に備え予防するのです。

だから、予防は無駄ではありません。保険と同じ考え方です。リスクの可能性に対しての安全性の担保です。

 

 

「命を守る行動、命が守れない行動、どちらが損しないか」と考えてみてください。

心理学的に、人は損すること、得することを平等には考えられません。損をすることを強く嫌います。

その心理的効果が、「耐震等級3にして無駄になったら損」という考えにつながります。

無駄になるなら予防しない、この考えはとても危険なことです。

 

損することが嫌ならば、損する部分を変えてみてください。

「命も守り住み続けることができる」というのと、「命の危険もあり、住み続けることができなくなる」

どちらが損ですか?

「命の危険もあり、住み続けることができなくなる」これほど損なことはありませんし、取り返しがつきません。

だから「命も守り住み続けることができる」耐震等級3なのです。

地震被害は他人事?

自分だけは大丈夫。

阪神淡路大震災も、新潟中越地震も、東日本大震災も、熊本地震も、どこか自分には関係のないところで起きた出来事と捉えていないでしょうか?

交通事故も同じ。いくら自分が交通安全に気を付けていて相手があることです。ある日突然、自分の意志とは無関係に身に降りかかってきます。だから自動車には、シートベルトから始まり、エアバック、最近では、車間距離制御装置、誤発進制御装置、衝突被害軽減ブレーキなど様々な安全制御機能がついています。

シートベルトやエアバックはついていて当たりまえになっていますよね。外すという選択肢なんてあるでしょうか?

建築もそうあるべき。建築基準法上で定められているのはあくまで、最低限の決まり。その耐震性能は、「命の危険もあり、住み続けることができなくなる」です。

耐震等級3は、「命も守り住み続けることができる」というもの。

 

そもそもすまい手が、勉強をして耐震等級3を選ばなければならないという状況というのがよくありません。

法律が最低限度なのはしかたありません。実務者が耐震等級3を当たり前にしていくしかありません。少し勉強して、構造計算ソフトを導入して、構造計算をすればいいだけの話です。それをせずして、耐震等級3を否定するのは、怠慢でしかないように思います。

設計士が構造計画ルールを理解してプランニングしていけば、力業の構造計算になることもなく、経済的に耐震等級3は実現できます。

これから家づくりを考えられる人は、それができる設計士を選んでいただければと思います。

 

DAIKOstyle 西田

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