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ウチとソトをつなげて暮らしを豊かにする|中間領域

設計のお話全て
2023/04/10

こんにちは! 大阪・奈良で高断熱高耐震な木の家専門|新住協Q1.0住宅マスター会員で木構造マイスター準1級のDAIKOstyle西田です。

今日は設計のお話。

以前のブログで、『魅力ある住宅をつくる正しい手順。』というタイトルで家の設計は間取り先行型ではなく、屋根、中間領域、窓、架構という順に考えるという記事を書きました。その中でも中間領域について、モデルハウスでの事例をもとに解説したいと思います。

こちらが、DAIKOstyleのモデルハウス『Nukata“D”salon』の中間領域。

 

中間領域とは、一言でいうと、屋根のある半外空間。

半戸外とも言ったりしますね。屋根のある半外空間はウチとソトの境となり、家のウチ(内部)と同じように雨や強い日差しを防ぐことができ、家のソト(外部)と同じように、自然を享受することのできる空間となります。

高断熱高気密住宅に暮らすと、家の中の室温は一定で夏は涼しく、冬は暖かい暮らしができるようになります。正確にいうと、家の中にいると冬は寒くない、寒いということや、そもそも冬だということを忘れるような室内の温度帯。夏はその逆。つまり家の中で各居室間の温度差がなく、快適な温度帯を維持することができるようになる(それも少ないエネルギーで)のですが、そうなるとどうしても外とのつながりである窓は締めっぱなしになってしまいます。ある意味、ウチとソトが分断されてしまうわけです。かの有名な建築家の堀部安嗣さんがその講演の中で語られていたのですが、『人は安心な安全な空間を得ると、かえって外に出たくなるもの』と仰られていました。私もそれに同意で、守られているからこそスリルを楽しめることができる。例えばジェットコースターやバンジージャンプも絶対に安全だから楽しめるのだと思います。スリルや危険への挑戦、限界を超えるということは、連綿と続く生物の進化をしていく上でDNAレベルで無意識化に存在する本能のようなものではないでしょうか?特に人間は他の動物と違い、危険な火を扱うことで進化したといわれていますから、それがなおさらなんじゃないでしょうか。

高断熱住宅はウチとソトを分断してしまうからこそ中間領域は必須

話しが大きくなりましたが、あながち間違っていないように思います。そういうわけで、住宅という雨風から身を守るシェルターという自然からの隔離した機能の中に中間領域を設けることで空間的な外とのつながりが生まれ、自然を享受できるようになり、それが豊かな暮らしを生み出すのだと思います。

特に高断熱住宅は、文字通り熱を断つ(内外の温度差を断つ)のですから、より一層ウチとソトのつながりも断ってしまいますので、高断熱住宅にこそ中間領域は必要不可欠な要素であると言えます。

 

ウチという家と、ソトという庭をつなぐ中間領域

中間領域の恩恵は夏や冬だけではありません。やはり中間期、機構の良い春や秋にこそその本領を発揮します。

寒い冬の時期を終え、春を迎えると気候は温かくなり落葉した庭木は新芽や花をつけ草花は芽吹きます。また秋には冬の準備をする草木の紅葉や落葉といった自然の移ろいを楽しむことができます。家だけではなく、庭もしっかりと設えることで豊かな暮らしが生まれるわけですが、それをより一層楽しめるのが中間領域の存在です。春や秋といっても、時期や時間帯で太陽の角度によっては暑いくらいの日差しを浴びますが、屋根のある半外空間の中間領域では木陰の中から日差しをしのぎながら心地よくそれを楽しむことができます。中間領域はウチという家をソトという庭をつなげる役割を持ちます。

 

日常と非日常をつなぐ中間領域

今日は気候がいいから外で食事を楽しもう!という事も中間領域があれば気軽に可能となります。温かい外の空間で、読書を楽しんだり、昼寝をしたり、庭で遊ぶ子どもたちを見守ったり。中間領域の使い方次第では、そういった日常とは少し違った過ごし方ができ、様々な形で暮らしを豊かにしてくれます。

 

2階リビングにこそ中間領域は必須!?

庭との距離が遠くなる2階リビングにも中間領域はもってこいです。都心部になると、採光や借景の点から2階リビングとなることがよくあります。しかしそうなると普段の日常を過ごすリビングと庭の距離が遠くなりますし、そもそも都心部では庭をとることすらままなりません。

そこで、インナーバルコニーを中間領域とすることで外とのつながりを生み出すことができます。

Nukata“D”salonではそのインナーバルコニーを中間領域としています

インナーバルコニーの防止には防水性の高い金属防水工法のスカイプロムナードを採用しています。その上に、屋久島地杉のウッドデッキを設え、耐久性の強い木材アカシアで作られたガーデンチェアとテーブルを配置。ただ単に、インナーバルコニーを設けるだけではなかなかあまり外に出たくなるものではなく、中間領域としては機能しません。しかし、そこに素足であるけるウッドデッキ。素足で歩けるようにすることで、リビングから気軽に外へ出やすくなりよりつながり感が増します。さらに外に出た後に、腰掛らるチェアがあることで人はその場所にとどまるようになります。また別のブログにまとめたいと思いますが、良い建築を構成する要素の一つとして『たまり』が必要です。ただのインナーバルコニーもウッドデッキを設け、イスやテーブルを置くことが『たまり』が生まれます。

そうすることでそこから借景を得ることができ、庭との距離が遠い2階リビングであっても、自然を享受することができます。むしろ2階リビングに設けられた中間領域はプライベート性の高い庭となり得ます。

Nukata“D”salonに設けた中間領域で、景色を眺めながら飲むコーヒーは格別ですよ。

 

『たまり』としての『中間領域』がウチとソトのつながりを生み、暮らしを豊かにします。

これから家づくりを考えられる方は、1階リビングであっても2階リビングであっても、中間領域はぜひ設けてください。家の中から外に暮らしの豊かさが広がりますよ。ぜひ、モデルハウス『Nukata“D”salon』にお越しいただき、中間領域の良さを体感しにいらしてください。

モデルハウスへの見学申し込みはコチラ

DAIKOstyle 西田

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