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Q1.0住宅と西大寺の家のQPex結果 | 高断熱・省エネ住宅

断熱のお話全て
2023/04/14

こんにちは!大阪・奈良で高断熱高耐震な木の家専門|新住協Q1.0住宅マスター会員で木構造マイスター準1級のDAIKOstyle西田です。

 

Q1.0住宅Level-3の西大寺の家

DAIKOstyleとしては、奈良県で建てる2件目のお家。もちろんQ1.0住宅です。レベルは3。暖房負荷14.0[kWh/㎡] 冷房負荷15.6[kWh/㎡]の超高性能なお家です。

UA値は0.33[W/㎡k]と断熱等級でいうと6。HEAT20のG2グレードではありますが、快適性については前述の冷暖房負荷で考えます。つまり断熱性能だけを評価するUA値よりも、日射取得率や日射遮蔽率を考慮して、いかに少ないエネルギーで夏涼しく、冬温かい快適な家になるかが大切です。極端な話、断熱性能を上げるには窓を作らなければUA値はもっと小さくなります。(建築基準法上窓のない家は建てられませんが)しかし、それでは夏涼しく、冬温かい家にはなりません。断熱性能とは、文字通り、家の外と中の熱を断つものですから、冬に外の寒さ、夏には外の厚さの影響を受けにくくするための指標です。

Q-PEXについて

新住協の開発した温熱シミュレーションプログラム、QPex。

建物の建設地域、方位を入力することで、アメダスのデータから各地域の日照や気温などを読み取り、建物の性能を計算していきます。

建物の方は、気積といって、冷暖房するの家の体積や、断熱材の入っている屋根や壁、基礎の大きさ、それぞれの断熱の構成や厚み、熱還流率を入力、

さらに方位ごとの窓の数や種類、換気システムやC値、冷暖房のCOPなどを入力することで冷暖房負荷を計算するプログラムです。

大事なのは、外皮平均熱貫流率UA値を求めるのが目的ではなく、建物の省エネ性や快適性の指標となる冷暖房負荷を計算するという事です。

冷暖房にかかる光熱費は年間26,902円

QPexでは、冷暖房負荷から冷房や暖房にかかる消費量から、電気代やガス代の単価を入力することで冷房と暖房の費用も計算することができます。(この計算では電気代を1kwhの単価を30円としています。)どちらかというと、冷暖房負荷というエネルギー量よりも、電気代、ガス代の方が分かりやすいですね。

ちなみにこの冷房と暖房の費用やエネルギーというのは、24時間全館連続運転をして冷房期は27°暖房期は20°、湿度が60%というのが条件です。

Q1.0住宅とは、現行の省エネ基準(断熱等級4)の省エネ性能で建てた場合の、上記の24時間全館連続運転・冷房期27°・暖房期は20°・湿度60%というのが条件でかかるエネルギーの40%以下になる建物を言います。(6地域において)

たまに、年間の電気代の話をすると、『うちはそんなに電気代かかってないよ〜。』とか、『エアコンは付けっぱなしは勿体無いから』とか仰られる方がおられますが、それは暑い寒いを我慢してのお話。Q1.0住宅だと、エアコンはつけっぱなしで26,902円です。我慢をしなくて、快適に過ごせて、それでいて省エネ。それがQ1.0住宅。

Q1.0住宅のことは以前にもブログで書いていますので、ぜひこちらもあわせてお読み下さい!

 

Q1.0住宅には4つのレベルがあります

①Level-1が40%以下

②Level-2が30%以下

③Level-3が20%以下

④Level-4が10%以下

【ここがポイント!】

特に新住協では、Q1.0住宅Level-3を目指すことを推奨しています。

このQ1.0住宅レベル3を断熱等級やHEAT20のグレードに置き換えると、断熱等級6と7の間くらい、HEAT20のG2とG3の間くらいの性能になります。

実は、断熱にかける費用と削減できる電気代とのバランスがとりやすい性能が、このlevel-3の性能になります。

下のQPexの計算結果では、省エネ基準に対して18.6%のQ1.0住宅Level-3となっています。この省エネ性を分かりやすく言うと、家の大きさ、形が同じで建築場所も同じ場合に断熱性能が省エネ基準の家だと、24時間全館連続運転をして冷房期は27°、暖房期は20°、湿度が60%保つのに冷暖房費に10,000円かかるとすれば、この西大寺の家の省エネ性能だと、1,860円で済みます。

この西大寺の家の年間の冷暖房費は26,902円ですから、それを18.6%=0.186で割ると、西大寺の家は省エネ基準の性能だと144,634円という事になります。その差、117,732円もお得に。30年に換算すると350万円もお得と言う事になりますね。50年だと580万円です。省エネ基準の性能からQ1.0住宅level-3に仕様変更するのに、せいぜい200万円〜250万円ほど。どう考えてもQ1.0住宅level-3の方がオススメです。

 

 

シミュレーションをしながら設計をする

前回のブログでお伝えしたように、サッシは樹脂アルミでLIXILのTWを採用しております。採用に当たり当初心配だったのが、やはり樹脂窓に比べてアルミ樹脂複合窓の方が、熱を通しやすいという事。そのあたりの不安を解消するのが、このQPexという温熱計算ソフトなどを使い冷暖房負荷のシミュレーションをすることです。

ちなみに樹脂窓のYKKapのAPW430の場合で計算したところ、

計算結果は、

UA値は0.32[W/㎡k] 暖房負荷14.1[kWh/㎡] 冷房負荷15.5[kWh/㎡] でした。

LIXILのTWの方は、

UA値は0.33[W/㎡k] 暖房負荷14.0[kWh/㎡] 冷房負荷15.6[kWh/㎡]  でしたので、

ほとんど変わりませんでした。

 

シミュレーションをすれば、デザイン、価格だけでなく、性能も確認しながらを比較して仕様を決めていくことができます。

設計する過程でシミュレーションをすることで、軒や庇の出を日射取得、遮蔽も考慮しながら、意匠的なバランスを取りながら設計できます。窓の仕様の決定については、前述のとおりですが、昨今の建築費用の高騰によって、建築費用を下げるために仕様を調整していかなければならないシーンがたびたびありますが、その際にも、シミュレーションをすることは重要です。仕様変更でコストダウンを図る場合も、快適性の指標でもある冷暖房負荷について予め一定のボーダーラインを決めておくことで、コストと性能のバランスを取りながら進めていくことができます。

ちなみに構造計算も同様に、シミュレーションをすることは大切です。意匠設計者が構造計算をしながらで耐震等級3を担保しながら設計していけば、実施設計に入ってからの間取りの変更などは起きませんし、間崩れを防ぎ柱の直下率を高め、結果、経済的にも構造的にもよい建物ができます。

経験と勘もいいですが、計算やシミュレーションも大事!!

話しを戻しますが、西大寺の家をはじめDAIKOstyleの建てる家は、意匠面と性能面のバランスを確認しつつ設計を進め、樹脂窓ではなくアルミ樹脂の窓を選択しました。『なんとなくかっこいいからとか、なんとなく良さそうだから』という、根拠のない勘で設計するのではなく、ちゃんと計算とシミュレーションをして設計しています。(構造も同じですが)

何十回、何百回とこのシミュレーションをしていけば、『勘』も働くようになってくるのものですが、計算やシミュレーションなどをしたことがない人に限って、経験と勘で!とか匠の技で!とかよく言われます。私は、大工さんでも職人さんでもありませんから、そういった経験と勘や、匠の技というのは持ち得ておりません。だからこそ、しっかりとシミュレーションや計算をすることが大切だと考えています。温熱計算や構造計算をしっかりとして、そのうえで大工さんや職人さんの経験や匠の技を振るってもらえば、よりよい建物を建てていくことができると考えています。

DAIKOstyle 西田

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