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微動探査はじめました

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2022/11/13

こんにちは、東大阪で高断熱高気密な木の家を真面目に建てている新住協Q1.0住宅マスター会員で準1級木構造マイスターの大幸綜合建設住宅事業部DAIKOstyle西田です。

前回のお話は、微動探査でできることや、調査の仕方などを説明させていただきました。

※前回のお話はこちら

今回はモデルハウスNukata“D”salonで実際に調査した模様のレポートです。

微動探査をしてくれる株式会社BE-DOの戸成社長です。まだ関西では滋賀にしか協力店がないらしく、今回は東京から戸成さん自らお越しいただきました。

ちなみに、前回の説明にもあったように戸成社長、この調査機器をキャリーバッグに入れて新幹線でお越しいただきました。調査に大掛かりな機器が必要ないこともこの微動探査のメリットですね。

黄色い4つの機器で計測します。

計測の前に、微動探査について教えて頂きました。初めて聞くスタッフもおり興味津々で聞かせて頂きました。

計測は、まず地盤の固有周期を調査するために、玄関前で実施。

風などの影響を受けないようにカバーをかぶせていました。

次に、建物の計測。4か所、建物の内の角に設置しました。

これで約15分ほど、常時起きているという微弱な振動を感知し建物の固有周期を調べます。

それと同時に、4か所に配置された機器により建物の剛心の位置も調べます。これがすごいですね。

調査自体は早く、外で15分、中で15分。その前後の設置準備なども合わせると1時間もかからず思わってしまいます。

モデルハウスNukata“D”salonの結果はというと、

という結果でした。

これまで、調査実績を聞くと 許容応力度計算の耐震等級3の建物の固有周期は0.15秒以下だそうです。ちなみに、品確法での耐震等級3では0.16秒。この固有周期が短い方が耐震性が高いということになるのですが、イメージすると建物が揺れた時に、メトロノームのように元の位置に戻るまでの周期が固有周期。揺れ幅というとわかりやすかもしれませんが、当然固い方が揺れ幅は少なく、戻る時間も短いということになります。

そして、地盤は0.68秒ということで、第3種地盤ということで、揺れやすさでいうと揺れやすい地盤ということになりますが、問題は共振です。共振とは、地盤と建物の固有周期が同じ時に起こるもので、揺れが増幅し、一気に建物が倒壊するということになります。

熊本地震では、通り1本挟んで地盤の揺れかたの特徴が異なり、揺れやすい地盤の地域に被害が集中するという現象がみられました。また、ある地震の被災地では、家2件ほど離れたところで常時微動探査を行ったところ、被害が大きかったところでは盛土地の揺れやすい地盤であることがわかりました。さらに地盤と建物が共振したことで揺れが大きくなり、被害につながったものと想定されています。

DAIKOstyleで許容応力度計算による耐震等級3を標準仕様としております。当然モデルハウスNukata“D”salonの耐震等級3なのですが、

今回、微動探査を行うことで、実際に建物の耐震性の高さを確認することができました。

さらに、この微動探査では剛心の位置と図ることもでき、その剛心と重心の位置から、地震時に比較的にどの面が被害が出やすいかなども分かります。

ちなみに、地盤調査、地盤改良とは併用になります。地盤改良とは、あくまで地耐力の補強になります。つまり鉛直荷重、建物の荷重に耐える地盤の強さのことです。ですから、揺れやすさとはまた違った視点になりますね。

微動探査は新築時では、工事中に行うことで、気密測定と同様にリカバリーが可能です。さらに完成時に測定することで、その建物の耐震性が分かります。また将来、大きな地震に見舞われた際にも、測定することでどの程度損傷して耐震性が損なわれたかなども分かります。

また新築以外でも、例えば性能向上リノベーションでは地盤調査や改良はできませんから、改修の前後で測定、つまり先に地盤の揺れやすさを調査し、共振にないように建物の耐震性を上げ、改修後に確認することは非常に有効であると考えれます。

大阪で建物の微動探査を行ったのは、弊社がはじての実施だったそうです。

この微動探査のレポートは、ある種の合格通知書のようなものです。構造計算があって、職人さんが正しく施工していれば問題ないはずですが、実際にこの合格通知書がでるまでは、私も実際のところどうっだったんだろうとドキドキでした。結果、耐震性能の高い建物ということでしたので、一安心でした。

微動探査、ぜひご興味のある方は試してみてください。

DAIKOstyle 西田

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