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吉村順三氏、前川國男氏の建築を見てきました~東京出張後半~

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2023/05/23

こんにちは!大阪・奈良で高断熱高耐震な木の家専門|新住協Q1.0住宅マスター会員で木構造マイスター準1級のDAIKOstyle西田です。

今日は、前回の東京出張のお話の続きです。前回のブログはコチラ

1日目は近代建築の三大巨匠の一人フランク・ロイド・ライトにより設計された自由学園明日館を見学してきました。

そして2日目は吉村順三氏、前川國男氏の設計した建築を見てきました。じつはこの二人ライトの系譜なんですね。そのあたりの現代に続くライトの系譜を少しご紹介したいと思います。

フランク・ロイド・ライトから連綿とつづく近代建築の系譜

まずライトの弟子がアントニン・レーモンド。帝国ホテル建設の際に助手としてライトとともに来日。その後日本でも数多くの作品を残し、日本家屋と欧米生活様式の融合を図ったディテールなどレーモンド新境地を開いたと言われています。そのアントニン・レーモンドの事務所で働いていたのが、吉村順三さん、前川國男さんなんです。前川國男さんはどちらかというと、レーモンドの弟子というよりは、ライトと同様、三大巨匠の一人であるル・コルビジェの弟子としての方が有名ですね。前川國男氏の弟子としては、丹下健三氏、木村俊彦氏、横内敏人氏が有名です。

一方、吉村順三さんのお弟子さんとしては、奥村昭雄氏、中村好文氏、益子義弘氏、宮脇檀氏など。吉村氏の孫弟子には、堀部安嗣さん ひ孫弟子には伊礼智さんが有名です。

そして今回、設計塾の講師をされていた丸山弾さんは堀部さんのお弟子さんです。

こうやってフランク・ロイド・ライトの系譜をたどっていくと非常に面白いですね。現在活躍されている建築家の方々のルーツになっているのがよく分かります。

というわけで、私も住宅設計を志す一人として、今回の吉村さんと前川さんの設計した建築を見学するのは非常に勉強になりました。

 

前置きが長くなってしまいましたが、東京出張の2日目のレビューです。

吉村順三設計の自由が丘の家、旧園田高弘邸

こちらの住宅は戦後の混乱がまだ続く時代、1955年に音楽家 園田高弘さんの自邸として建築されました。今は別の方が所有されていて、一般社団法人住宅遺産トラストによって管理されており、今回のように建築や音楽を勉強される方の見学が可能となっています。個人所有の物件ということで中の写真は撮影できませんでした。

延床面積77㎡(約23.29坪)というコンパクトな空間に、グランドピアノを2台並べられる非常に無駄のない空間を作られています。後の1987年に増築されており、増築部分は吉村順三設計事務所のスタッフだった小川洋氏が担当されています。私たちがまず通されたのが増築部分。この増築部分も、ホールや素材の使い方、吉村障子などオリジナル部分へのリスペクトが感じられる設えとなっておりました。

そして1955年に建築されたオリジナル部分。

まず1階のリビング部分。現在はピアノは増築部分に置かれていて、かわりにテーブルとソファがおかれています。23坪という、コンパクトな空間を無駄なく有効に使い、さらにリビング部分、当時はピアノが置かれていたホールとなる音楽室部分は吹き抜けとなり広い空間となっています。しかしそこを床を2段下げることで当時置かれていたであろう2台のピアノを見下ろす形になることで音楽室に入った時の威圧感を和らげ、まず吹き抜けによる天井の高さよりも足元に注意をひきつけ玄関と音楽室を空間的にうまく仕切られていました。階段や上がり切ったところ、2階の寝室の室内窓からと窓の取り方が非常に気持ちの良い空間になっていました。

そして一番、私が感動したのが、音楽室の先の居間部分、さらにその先に広がる庭でした。居間部分の上には2階の寝室と作業室があるのですが、吹き抜けのある音楽室に対して天井高さの低い安心感のある空間。南側に面して配置された今の窓は引き込み戸になっており、全開口できるつくりとなっております。

見学した際も窓は全開口されており、室内から見る庭の木々が風に揺られる様は何とも気持ちの良い空間でした。

※住宅遺産トラストのHPより掲載

前川國男邸の見学

設計塾の卒業イベントは午前までで解散となりました。午後からは自由行動です。設計塾で仲の良くなった豊橋のニコハウス設計室の鈴木代表と一緒に、江戸東京たてもの園に行ってきました。

こちらには、1942年に品川区上大崎に建てられた前川國男氏の自邸が移築されています。

1942年というと戦時中です。建築資材の乏しい時代、また様々な規制のあったなかの建築と聞いています。

外観は、切妻屋根で中心に吹き抜けやホール、ロフトを配置し、家の両サイドには個室とシンメトリーなつくりになっています。

先程も紹介したように戦時中に建てられたこちらの邸宅、象徴的な柱は、当時いらなくなった古い電柱を使っているそうです。資材不足だった当時の状況ならではのエピソードですね。また前川さんの師匠であるル・コルビュジエが定義した「近代建築五原則」の中に「ピロティー」というものがあります。私も学生時代、近代建築史で習いました。ピロティーはフランス語で柱で支えられた壁のない空間という意味です。この邸宅でも、リビングの前の空間がそのピロティーとなっており、また中間領域として空間を豊かにしていました。

前川國男さんは、東京帝大(現東大)在学中に当時新進気鋭の建築家だったル・コルビュジエを知り卒業後、単身フランスに渡り、ル・コルビュジエの事務所で働きました。卒業証書をもらったその足で、神戸港へ向かいそのまま船で中国、ソ連を経てパリのコルビュジェの事務所へ行ったそうです。とんでもなくパワフルな話ですね。コルビュジエと國男青年はお互いを「コル」「クニ」と呼び合う仲だったとか。2年間フランスのル・コルビュジエのもとで働いたのち、帰国後、ライトの弟子のアントニン・レーモンドの事務所で働いています。

同時代を生き、同じ事務所で働いた吉村さんと前川さんですが、やはり細かいディティールに差があり、それが非常に興味深かったですね。あくまで個人的な主観によるイメージですが、は吉村さんは細く繊細でスタイリッシュなイメージ。前川さんは武骨で力強いイメージでした。

江戸東京たてもの園ではほかにもたくさんの建築が移築されてみることができました。時間に限りがありすべてはゆっくり見られませんでしたが、非常に勉強になりました。

やはりいい建築を見ることは設計をする上で大切ですね。今回のような有名な建築だけでなく、普段から仲間の工務店さん、設計事務所さんの実物件も見に行くようにしています。やはり高さや奥行、色の使い方、空気感、空間の気持ちよさは写真や動画では得られません。見学会でなくても街を歩いていれば時たま素敵な建築を見ることもあります。普段から、そうやって自分の目を養う事は設計者にとっては大切なことです。それをいかに自分の設計に活かすかですね。もうすぐお引渡しの西大寺の家もそうやって、いままで見てきた素敵な建築のエッセンスがたくさん詰まっています。

ですから、家づくりを考えている方は家とその環境、建築士が何を見て考えてその家を建てたのかを知るためにも完成見学会に参加されるのが良いかと思います。

DAIKOstyleではモデルハウスのほか、#02北条の家(西田邸)も見学可(事前予約制)となっていますので、ご興味のある方は是非お問合せの上でご見学くださいませ。

 

DAIKOstyle 西田

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