東大阪で高断熱高気密な木の家を真剣に建てている新住協Q1.0住宅マスター会員の大幸綜合建設住宅事業部DAIKOstyle西田です。
今日はDAIKOstyleの屋根の断熱についてのお話
DAIKOstyleの屋根断熱の標準仕様は、高性能グラスウール16Kを240mmとしています。
これは、壁の充填断熱部120mmなのですが、その倍ということで、同じグラスウール2枚重ねて使うことでコスト面にも配慮した仕様になっています。
で、この240mmがいいかどうかということを検証してみたいと思います。
まず現在建設中の#02北条の家では、標準仕様の屋根断熱240mmなのですが、
この熱損失係数が0.097[W/㎡K]で、
暖房負荷が 1㎡あたり10.3[kWh/㎡]
冷房負荷が 1㎡あたり13.9[kWh/㎡]です。
これをわかりやすく光熱費に換算して電気代 1kWh30円とすると、
年間の冷暖房費は21,695円とQ-PEX上で計算できます。
つぎに、屋根断熱を3枚重ね、360mmにした場合の数値です。
熱損失係数・・・0.066[W/㎡K]
暖房負荷・・・9.5[kWh/㎡]
冷房負荷・・・13.5[kWh/㎡]
年間の冷暖房費・・・20,615円
では、半分の120mmにした場合
熱損失係数・・・0.184[W/㎡K]
暖房負荷・・・12.2[kWh/㎡]
冷房負荷・・・14.6[kWh/㎡]
年間の冷暖房費・・・24.049円
と、なります。
次に、断熱材の値段。
120mmの場合、60,000円 240mmの場合120,000円 360mmの場合180,000円
わかりやすく表にまとめてみました。
120mm断熱 | 240mm断熱 | 360mm断熱 | |
熱損失係数[W/㎡K] | 0.184 | 0.097 | 0.066 |
暖房負荷[kWh/㎡] | 12.2 | 10.3 | 9.5 |
冷房負荷[kWh/㎡] | 14.6 | 13.9 | 13.5 |
年間の冷暖房費1kWh30円 | ¥24,049 | ¥21,695 | ¥20,615 |
35年間の冷暖房費 | ¥841,715 | ¥759,325 | ¥721,525 |
断熱材費用 | ¥60,000 | ¥120,000 | ¥180,000 |
35年間の電気代の差額 | ¥82,390 | ¥0 | △¥37,800 |
断熱材費用の差額 | △¥60,000 | ¥0 | ¥60,000 |
電気代と断熱材費の差額 | ¥22,390 | ¥0 | ¥22,200 |
この表からもわかるように、イニシャルを下げて断熱材を半分の120mmにしても、
35年の冷暖房費と断熱材費を差し引きすると、イニシャルとランニングのトータルコストは+22,390円高くなり、
同様に、360mmにしたとしても、ランニングが安くなりはしますが、トータルコストは結果+22,200円高くなることが分かりました。
これは、仮に35年間電気代が1kWh30円として計算したものですので、将来の燃料費高騰のリスクは加味しておりません。
断熱の下地材費用や大工さんの手間費用も同様に加味してはおりません。
さらに、120mm断熱と240mm断熱とでは個人差はあるとしても体感的な快適性は、言うまでもなく断熱材は厚い方がより快適性が増します。
もちろん240mmよりも360mmの方が、快適性は増すのですが、熱損失係数や冷暖房負荷の減少率から考えても、120mmから240mmに厚くした時よりも、
240mmから360mmにしたときの減少率は少なく、快適性もそれに比例しますので、コストバランスを考えると、DAIKOstyleでは屋根断熱は240mmがベストだとしています。
DAIKOstyleでは、このようにQ-PEXで仕様の性能とコストバランスを考えて標準仕様を考えています。
DAIKOstyle 西田
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