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構造住カンファレンスに参加してきました!

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2024/10/22

こんにちは!東大阪を中心とした大阪・奈良で高断熱高耐震の木の家専門店として注文住宅を建てるDAIKOstyle西田です。

10月18日に新横浜で開催された構造塾のカンファレンスに参加してきました。

構造塾のカンファレンス、昨年から行われるようになり、塾長の佐藤先生からも直々にお誘いいただいていたのですが昨年はなかなかタイミングが合わず、参加を見送らせていただいていました。

今回も佐藤先生から直々にお声がけ頂き、とくに今回は先日のエコハウス大賞の受賞で構造について耐震等級3ではあるものの、構造区画の点で及第点だったということで、そのあたりを今後の課題としていろいろとお話頂くということで、参加してきました。

能登半島地震の被害状況の報告

佐藤さんのお話は、能登半島地震の被害状況などの共有でした。

佐藤さんは何度も能登半島に行かれその被害状況を見てきておられ、熊本地震など過去の大地震と比べて能登半島地震の復興が進まない理由など、詳しく解説されました。

また能登半島では過去、2007年にも地震に見舞われており、わずか17年後の今回の地震となりましたが、2007年の地震では倒壊や半壊などを免れた建物が、実はその時のダメージにより耐震性能を損なわれたために、倒壊した建物が多くなったとの事です。

まさに、佐藤さんがいつも仰られる耐震等級1の要求性能は、1度の巨大地震には耐えても繰り返し耐える性能がないという事です。

何度目かの調査の際に、周りは倒壊している建物が多い中、今回の地震による被害を受けていなかった家の家人と話す機会があったとのことですが、聞くと耐震等級3という事だったらしいです。

佐藤さんのお話で、非常に印象的だったのでが、被災地に調査へ行った際、人の気配がない静けさ を感じたとのことでした。

風の吹く音や木々が揺れる自然の音はあるものの、人っ子一人いない、静けさを感じたとのことでした。人のいない街だったとのことです。また、グーグルストリートビューによる、被災前の街の写真と、調査時の建物が倒壊した前後の写真なども共有いただきました。

建物が倒壊することで、道が塞がり、避難や救助や困難になる、実際に日歳前後の写真を見るとリアルにそれを感じました。

少し前にも、仲間の工務店さんによる、能登半島の被害状況の視察の話を聞いていましたが、実際に自分自身は行けてはいないものの、身近な人から話を聞くことで、よりリアルに被害の状況を受け止めることができました。

実際に、佐藤さんは、阪神大震災以降、大地震の被害が出るたびに調査や視察に行かれているそうです。佐藤さんの言葉に重みがある理由がわかりました。住宅の耐震性能の重要性を、家づくりを考える方たちに伝えるという意味では、実際に自分自身の目でその被害状況を見る事はとても大切で、その言葉に説得力や重みが増すということがよく分かりました。なかなか日々の業務で時間がつくれないことを言い訳に視察に行けていませんが、機会があれば自分自身の目で見ておきたいと思います。

東京大学 前先生のお話

そのあとは、東大の前先生のお話でした。前先生のお話で、非常に印象に残っているのが、

これからの家づくりにおいて、断熱、パッシブ、空調、太陽光、制御など様々な要素があるが、その中で一つだけ満点ではダメ。全科目で80点以上の方がよい!山登りで8合目まではみんなで登り、その上で、各々の高みを目指そうとのことです。脱炭素社会の実現に向けて、様々な場で活動されている前先生ならではのお言葉だと感じました。

講演会のあとの、交流会で前先生とお話をさせて頂く機会を得ましたが、その話をさせていただきました。新住協の鎌田先生もよく同じようなことを言われます。パッシブハウスを1棟たてるより、Q1.0住宅をたくさん建てる方が、全体の省エネ効果が高い。まさにその通りだと思います。もちろん、機会が得られればパッシブハウスのような高性能な住宅の設計や建設に携わりたいものですが、どうしてもその分のコスト増は否めません。それよりもQ1.0住宅level3を標準化して、コストパフォーマンスよく1棟でも多く建てられればと思います。

交流会では、普段お話をできない方ともお話をさせて頂き、非常に良い勉強となり、刺激となりました。

エリスマン邸の見学もしてきました

カンファレンス後は新横浜で一泊し、翌日は、横浜市中区元町の元町公園内にある西洋館のエリスマン邸を見学してきました。

こちらのエリスマン邸は、近代建築の父 アントニン・レーモンドの設計の物件です。

アントニン・レーモンドといえば、近代建築の3大巨匠のひとり、フランク・ロイド・ライトの弟子として、帝国ホテルの設計の助手として、ライトと一緒に日本に来られた方です。レーモンドは、ライトから独立後も実に第二次世界大戦の戦前、前後と併せて44年も日本で活動、日本にも多くの名建築を残しています。そして、吉村順三さんや前川國男さんの師でもあり、いうなれば、今活躍される有名建築家の先生方の始祖といわれる方ですね。

というわけで、昨年から続く、日本に残るライト建築の見学に続き、今回はその弟子 A・レーモンドの建築の見学となりました。

こちらのエリスマン邸は、レーモンドがライトから独立した直後の時期の設計とのことです。そのためか、なんとなくディティールにライトを感じました。

非常に高い天井の建物でしたが、不思議と心地よさを感じます。それは、使う素材の色の組み合わせなのか、広い空間、モジュールのためか、

窓の取り方も重心を低く、視線の先に広がる樹々があるためなのかもしれません。

外観のプロポーションも、低く低くと教えられてきていますが、それに反するように大きな建物です。しかし、のっぺり感じないのは、全体のタテヨコの比率が美しいんでしょうね。非常に落ち着いた印象を受けました。

また洋館らしく、寄棟屋根による、水平の軒天上も非常に美しいです。軒の水平ラインがそろっていて、

私も基本的には大屋根は切妻屋根で勾配の軒天上なのですが、こういった水平の軒天上もチャレンジしてみたいですね。

ただし、寄棟にすると屋根断熱の場合の屋根通気の取り方、とくに棟換気の納め方に悩みそうですが。

というわけで、横浜出張のレポートでした。

今回の経験も自分の設計の糧にしていきたいと思います。

 

DAIKOstyle 西田

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