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2025年、建築基準法改正について西田が思う事

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2025/01/07

こんにちは!東大阪を中心とした大阪・奈良で高断熱高耐震の木の家専門店として注文住宅を建てるDAIKOstyle西田です。

2025年、建築基準法改正について西田が思う事

今年は4月から建築基準法の改正があり、大きくは省エネ基準の義務化、4号特例の廃止です。法改正の内容に対しては、既にDAIKOstyleでは仕様の変更などなくこれまで通りの標準仕様で全く問題なく対応できる形となっております。それでも、世の中全体が変わるときというのは、やはりいろいろバタつくもので、各種申請検査機関などの法改正による混乱は予測されますので、弊社的には問題なくても、間接的に申請にかかる期間が長くなるなどの影響は受けることが予測されます。

今回の法改正、注文住宅をやっている我々には基本的には喜ばしいことです。まっとうな家を建てることがまっとうになる時代がくるのですから。しかし懸念もあって、4月から法律が変わるからということで、駆け込みを煽る業者さんの存在です。『法律が変わるので、安く建てられるのは今しかないです!』というようなうたい文句で契約を急かしたり、基本的には現行府が適応されるのは、4月の法改正までに着工する物件になるので、十分な打ち合わせもなく契約、着工をさせられることになったり、十分な検討時間がないために、後々追加工事や仕様変更をしようものなら、後になってから想定外の追加請求が出てきたりという事も考えらます。

法改正によって、まっとうな家が建てられるようになる時代に、現行法で安くするために、つまり断熱や耐震が不十分な家、4月以降は既存不適格になる家を建てる。そういうことを今なら安く建てらるというような、まやかしで家を決めないように注意が必要です。

法改正のリフォーム、リノベーションへの影響

またリフォーム、リノベーションについても、4号特例の廃止によって、簡単にいうと木造2階建ての家を、主要構造部の過半以上を改修する場合は、確認申請が必要になるわけですが、これが大問題。改正法の基準に即するという事は、例えば屋根を葺き替えるという工事で、屋根材だけでなく、例えばその下地である垂木や野地板を過半以上変える場合は、確認申請が必要ということになっています。野地板の過半以下のみ交換ということは基本にありえません。普通は野地板交換となれば全部です。屋根の改修が必要な物件という事は築年数もそれなりでそういった物件の屋根は、野地板はバラ板だったりしますので、コンパネによる野地板に張り替えるというのがセオリーです。結果こうなると確認申請が必要になるわけです。そこで改正後の建築基準法に適合させて確認申請になるわけですから、当然として耐震性や断熱等級も改正法の基準にする必要があります。その物件のエリアが準防火地域であれば、延焼ラインにかかる窓は防火窓にしなければなりません。

となると、屋根だけを改修したい人にとっては、家全体をフルリノベしなくてはならなくなります。

これは、家にとっては性能も上がるし、確認済証も検査済証も出るわけで、いいことなのですが、当然それだけの工事をするとなるとそれ相応の工事費用が発生します。

屋根だけなら、2~300万円だったものが、2~3000万円の工事代ということになってしまいます。

そこで国交省が提示している緩和策が、カバー工法についてはこの限りではないという事です。

つまり、現状の屋根材を残したまま、その上に下地をしてルーフィングを貼り新しい屋根材を葺くという工事です。

外壁の改修についても、同様です。既存の外壁の上にカバー工法で新しい外壁を施工する。

内装についても同様です。古い床の上に新しい床を施工する。

なるほど、これなら『撤去費用も掛からず、費用の負担もなく安心してリフォームできますよ!』

なんてリフォーム会社さんのセールストークが聞こえてきそうですが、ここでよく考えて決断してほしいのが、カバー工法で施工するという事は、そのカバーした分の材料の荷重が増えるという事です。

今回の法改正では、省エネ基準の義務化や4号特例の廃止以外にも、柱の小径や壁量の見直しがあります。これは、省エネ化により建物の荷重が増えるからなんですね。窓も断熱性能が高くなるにつれて単板ガラスから、ペアガラス、トリプルガラスとなり、その重さは断熱性能に比例して増えていきます。外壁もこれまでに比べて、断熱材の量も増えていっています。まして、DAIKOstyleでは標準の付加断熱となればその重さはさらに増えることになります。あと省エネではありませんが、太陽光発電パネルの屋根への設置。これも荷重増です。

余談ですがDAIKOstyleでは全棟許容応力度計算を行っていますので、それぞれの荷重設定もしているわけですが、壁量計算ではそのあたりの設定はありません。重い屋根かという事と、積雪割増しだけ。重い屋根という判断であれば、一定の壁量の割合が増えるという単純なものです。

国交省もこのことが分かっているので、今回の省エネ基準の義務化に伴い、壁量や柱の小径の基準にもメスが入りました。

耐震性はそのままで、建物の重さだけが増えるという事は、耐震性が今よりも損なわれる可能性があるという事。

高性能化に伴い、建物の荷重が増えたため壁量や柱の小径の見直しがされたのに、リフォームの場合の緩和では耐震性はそのままで荷重だけが増えるので、実は耐震性は低くなるというこの緩和策はある意味、矛盾ではあります。しかし予算があっての改修工事です。ない袖は振れません。ちゃんと理解したうえで、カバー工法を選ぶ必要があります。この辺りはしっかりと我々もお施主さんに対して説明しておかないと後々のトラブルになりかねないと思います。やはりちゃんと理解したうえで選択をする。これが基本だと思います。

今回の法改正についてのまとめ

新築の方は、DAIKOstyleの新築では特に大きな影響はなさそうです。申請にかかる期間がこれまでよりも長くなりそうということが考えられます。

リフォームについては、確認申請の要否が判断のポイントです。

フルリノベの場合は、確認申請が必須になりますので、物件が完了検査済証の有無でも進め方が変わりますし、ない場合はガイドラインに乗っ取って調査、申請が必要になり、時間と費用がかかりそうです。完了検査済証がある場合は、その仕様から現行法に合わせての申請となります。

カバー工法などのリフォーム工事ついては、しっかりと理解した上での判断が必要です。

 

以上、2025年の建築基準法改正に伴い、西田が思う事でした。

 

DAIKOstyle 西田

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